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CASE
実績

総合展示場にはもう頼らない!毎月安定した来場数を叶えた新たな集客の形

会社名: 共栄ホーム 業界: 工務店
実施施策: MEDIAMEOSNS

今回ご紹介するのは、パートナー会社の「ブランディングテクノロジー」様とブランディングテクノロジーでご支援している、広島県福山市に拠点を置く、「共栄ホーム様」の事例です。共栄ホーム様は1956年創業の地域に根差した工務店で、これまでは総合展示場を主戦場に集客を行ってきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で来場者数が減少したことを受け、自社での集客に舵を切る選択をしたといいます。今回は、営業部長の桐島和司様と設計アドバイザーの和田唯奈様にお話を伺い、総合展示場頼りだった集客からどのように脱却し、エンドユーザーにリーチしていったのかを掘り下げていきます。

創業65年の老舗工務店がInstagramやホームページリニューアルに踏み切った理由

コロナ禍で総合展示場の来場者数が半数以下に

Instagramを活用し自社で集客をかける方針に変更

当社は総合展示場へ出展していたのですが、コロナ禍の影響で来場者数が減少しました。それまで毎月5組ほどあった来場数が、今では2件 程度まで減ってしまっています。また、50~60棟あった年間契約数も、木材や関連施設の高騰などを受け維持できない状況になってしまったのです。そこで、自社で集客をかけるためにInstagramの運用を強化することに決めました。福山市内ではInstagramを活用し集客を伸ばしている工務店が多かったことも、強化を決めた理由のひとつです。

最初の1年は、今とは別の会社にInstagramの運用をお願いしていました。しかし、密な相談ができなかったり、期待していた効果が得られなかったりとさまざまな課題があり、現在はお付き合いをやめています。その後Trust Leadという会社さんと出会い、コスト面や営業さんの人柄に惹かれ、新たに運用をお任せすることにしました。

Instagramでエンドユーザーのリーチを獲得

共栄ホームの世界観を発信することでフォロワー数700%Upを実現

Instagram運用をTrust Leadに乗り換えた2021年1月から2022年12月現在までの推移としては、861人だったフォロワーが6,031人となり、フォロワー数に関しては700%UPを実現しています。また、リーチ数は5,240件から20,000件に、平均「いいね!」も176件から469件となりました。現在当社では、ストーリーも合わせて27投稿を公開していますが、Trust Leadの担当者さんからは、全国の中でもこれだけお気に入り保存されている会社は多いと言っていただいています。自然素材をふんだんに用いた建築など、当社の世界観が分かる写真を多数投稿しているので、Instagramを通してエンドユーザーのリーチを獲得しやすいブランディングができたと感じています。

日々変化するトレンドにも対応しユーザーを逃さない

実際に、展示場に足を運んでくださる方の8割がInstagramを見てくれています。当社のアカウントはフォロワーが多く更新も頻繁に行っているので、信頼されているのだと感じます。ただし、Instagramは変化が激しい媒体です。おすすめに表示されやすい投稿の傾向が1ヶ月で変わることも少なくないので、トレンドに合った投稿を常に意識する必要があります。そんな中、Trust Leadさんは打ち合わせを通して、「イベントについて投稿しては?」「インスタライブでルームツアーをしたらどうでしょう」と、エンドユーザーにリーチしやすい投稿を提案してくれるので、とても助かっています。

Instagram広告では高い費用対効果を実現

建売のオープンハウスを行うときに、Instagram広告に取り組んだこともありました。このときは、広告費5万円で12組の来場に繋がったのを覚えています。来場単価が4,000円ほどで済んだので、非常に満足しています。今では、建売のオープンハウスを行う際には必ずInstagram広告を実施しています。

ブランド理解を深め、問い合わせ率を向上させるために、ホームページのリニューアルを実施

世界観の統一とスマホへの対応も進めInstagramとのギャップを解消

家の購入は、「一生に一度の買い物」と言っても過言ではありません。それだけ大きな決断をする際に、「Instagramだけ見て購入する」という方はほぼいないでしょう。そこで、まずはInstagramを通じて共栄ホームの世界観を知ってもらい、当社についてさらに詳しく知っていただくためにホームページへの流入を促す、という流れを作ることにしました。

しかし、当社のホームページは10年以上前に作成したものでデザインが古く、スマホにも対応できていませんでした。Instagramの世界観とギャップを生じさせないために、「そろそろホームページを変えよう」という話が社内で出ていたことが、リニューアルのきっかけです。

決め手はブランディングテクノロジーの独自性とセンスの良さ

ホームページをリニューアルするにあたり、Trust Leadさんからご紹介いただいたのがブランディングテクノロジーさんです。ほかに候補に挙がっていた会社もありましたが、そこは住宅展示場を自ら運営している会社で、同じような作りのホームページになりそうだったのでお断りすることになりました。ブランディングテクノロジーさんのホームページは、各工務店の家づくりの特徴を捉え制作されている事例が多く、共栄ホームの家づくりの特徴を引き出してくれて、Instagramともうまく世界観がリンクさせてくれそうだと感じたので、お願いすることになりました。

丁寧な制作でホームページの円滑なリニューアルが実現

来場者のほとんどがホームページを閲覧済み

リニューアルに関しては、制作担当の方が非常に丁寧に進めてくれたので助かりました。実際の出来栄えも素晴らしく、特にTOPページは気に入っています。事前にホームページを見てから来場される方がほとんどなので、綺麗に切り替えられて本当に良かったです。ブランディングテクノロジーさんには、家づくりを検討されている方がホームページを閲覧する目的は「どんな家を建てていて」「どんな会社で」「どんなスタッフが働いているのか」を確認することだと提案を受けました。ですので今後は、「家づくりの特徴」「施工事例」「会社について」「スタッフ紹介」などのページを、さらに改善していきたいです。

ホームページのおかげで毎月安定した来場者数を確保

メディアで“予習”済みのお客様は成約率が高い傾向に

コロナ禍などの影響もあり、今はどの会社も集客がうまくいっていないのが実情です。その中でも当社は、ネット経由で毎月安定した来場予約を確保できるようになりました。ネット経由で来場予約をされる方は、事前にInstagramやホームページをしっかり見ている方が多いので、成約率も非常に高くなっています。先行的にInstagramやホームページに取り組んだおかげで年間棟数をどうにか保てた点は、とても助かっています。

時代に合わせた施策で年間契約棟数40棟を目指す

メディア戦略のほか展示場のリニューアルも検討中

これまで、Instagramでの発信とホームページのリニューアルにブランディングテクノロジーさんと本気で取り組んできました。エンドユーザーへのリーチ数が多く、「おすすめ」に表示されやすい写真はリビングやトイレなどの内装写真が多いと感じています。その一方で、集客するためには外観のデザインも重要であることに気付きました。なので、これからは外観デザインにも焦点を当てたInstagram投稿をしていきたいです。 

また、今は「高性能住宅であることが当たり前」にもなっています。そのため、今後はUA値(※)がどれくらいかなども、分かりやすく発信していきたいと思っています。さまざまな取り組みを実施することで、年間契約棟数を40棟ほどにキープすることも今の目標です。

その他の取り組みとしては、当社の展示場は建設してから14~15年経っているので、そのリニューアルも行っていきたいと考えています。

※UA値……住宅内部から床や外壁、屋根、開口部などを通って外部に逃げる熱量を、外皮全体で平均した値のこと。「外皮平均熱貫流率」ともいう。

成功要因を戦略的に解説する考察パート

前提課題

ここでは、共栄ホーム様が抱えていた課題を整理します。

総合住宅展示場の集客数減少

新型コロナウイルス感染症の流行で、共栄ホーム様を取り巻く環境は大きく変わりました。もっとも大きい変化は、ほかの工務店と同様に総合住宅展示場への来場者数が減少したことでしょう。これにより、契約数もキープできない事態になりました。さらに、インタビューの中で営業部長の桐島様は「今まで営業で毎月5件取れていた契約が、2~3件ほどになってしまった」ともおっしゃっており、事態の深刻さが伺えます。そのほかにも、「ウッドショックの影響で注文住宅を建てること自体にコストがかかるようになり、一般的なユーザーは家を買うことを控えるようになった」という変化もありました。福山市全体で過去に例を見ないほど、工務店が厳しい状況に置かれていたことが分かります。

新規集客のノウハウがない

共栄ホーム様では、これまで総合住宅展示場の集客力に頼っていました。しかし、コロナ禍で毎月の来場者数が5件から2件まで減ってしまったといいます。このときの共栄ホーム様には自社で集客するノウハウがなかったため、エンドユーザーへのリーチが難しくなるという事態になりました。

こうした中で共栄ホーム様が決断したのが、外部の会社にInstagramの運用を委託し、エンドユーザーへのリーチを図ることです。しかし、「共栄ホームの世界観をうまくアピールできない」「Instagramからホームページへの流入が図れなかった」などの理由で、期待していたエンゲージメントを得られず、集客にも繋がりませんでした。

ネット経由での集客がほぼない

共栄ホーム様では、元々ホームページとInstagramのアカウントを保有していました。しかし、Instagramのプロフィールへのアクセス率を上げたり、Instagramからホームページに遷移してもらったりというノウハウが不足しており、集客するために最適な形が築けていないという課題があったのです。また、スマホ対応もできておらず、ユーザーに“刺さる”訴求もできていませんでした。

また福山市におけるユーザーの特性として、注文住宅を建てる際は新しく土地を探し、そこに家を建てるという傾向が多く見られます。「土地ありき」の状況が勝っているため、ユーザーの多くは土地をすでにストックしている会社に流れ、共栄ホーム様のように土地を持っていない会社は集客に困っているという課題もありました。

3つの成功要因

1.広告効率の高い2媒体に集中して施策

2.Instagramによる地域を絞った集客戦略

3.ホームページとInstagramの連携によるブランド浸透の相乗効果

広告効率の高い2媒体に集中して施策

総合展示場の課題は、出展コストが高いうえ定期的な露出ができないという点にあります。それを受け、共栄ホーム様ではオンライン施策を中心とした戦略への変更を決めました。その中でも、Instagramとホームページに絞り、施策を打ち出したのです。

Instagramに焦点を当てた理由は、拡散力とブランドイメージの浸透に大きな期待が持てたことでした。また、注文住宅の契約を検討しているユーザーは情報収集のためにInstagramを閲覧しており、「おすすめ」に表示される投稿はエンドユーザーへリーチしやすい傾向にあります。その時期のトレンドを把握し、綿密な打ち合わせを実施することで、フォロワー数の上昇や「お気に入り」登録数のUPを実現できました。

さらに、Instagramの世界観に合わせたリニューアルをホームページに施すことで、Instagramから遷移してきたユーザーを取りこぼさない施策も実現しました。このように共栄ホーム様では、強化媒体をInstagramとホームページに絞って運用に専念できたことが、幅広い認知とファンを獲得に成功した要因のひとつだと言えるでしょう。

Instagramによる地域を絞った集客戦略

Instagramの活用により、ネット検索以外のエンドユーザーとの接点が増加しました。これにより、運用開始前には1,303回だったプロフィール表示回数が2,222回と170%も増加したうえ、近隣をターゲットにしたInstagramマーケティングを実施することで商圏内に住んでいる多くのフォロワーを獲得することにも成功しました。さらに、Instagramで広告とフォロワーへの告知を行うことで、効率的に商圏外にいるターゲットに、イベントの開催を知らせることも実現しています。例えば、ある建売住宅の広告をInstagramで出したところ12件の反響がありましたが、広告費は5万円だったため、集客単価は4,000円程度という結果になったのです。

ホームページとInstagramの連携によるブランド浸透の相乗効果
「自然素材を用いた家づくり」「断熱性・機密性に優れた住空間の提供」「創業65年を誇る工務店だからこその、地域に根差した住まいづくり」といった共栄ホーム様のブランドを軸に、コンセプトや施工事例などの情報をInstagramとホームページから発信しました。 

Instagramでは、認知を確保することで商圏以外のユーザーとも接点を確立しています。現在は内装写真を中心に投稿を行っているものの、将来的には外観写真の投稿も予定しており、凝ったデザインの家に焦点を当てることで、ミドル層からアッパー層に向けたPRも行っていく予定です。

Instagramをはじめとしたメディア情報以外にも、共栄ホーム様ではホームページの作り込みにもこだわりました。メディアとホームページの世界観をそろえることで、それぞれのメディアを見たユーザーから、より高い信頼を獲得することを実現しています。双方のメディア同士を連携させることで、「共栄ホーム」という工務店のブランド浸透に成功した形です。

まとめ

住宅メーカーの多くは、営業の主戦場を総合展示場にしています。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、各メーカーは集客数減少に悩んでいるのが現状です。実際、今回お話を伺った共栄ホーム様でも、月5件ほどあった来場が2件にまで減り、年間50~60棟あった契約をキープできないかもしれない、というお悩みを持っていました。

また、感染症だけでなくウッドショックや物価高騰といった要因も、各メーカーの方針に大きく影響を及ぼしています。例えば、建売の場合でも原価売値が1,000万円ほど上がるため、ローコスト系のメーカーであっても、「注文住宅を建てるのとそれほど値段が変わらない」という事態が生じているのです。このように、「薄利多売」の時代が終わりつつあることも、看過できない状況の変化と言えるでしょう。

周辺状況が変化していく中、急務となったのが自社による集客です。共栄ホーム様の場合、いち早くInstagramとホームページの強化を行ったことに総合展示場以外の集客導線ができ、契約棟数を維持できているといいます。また、Instagramで広告を打つことで、商圏外のユーザーも情報にリーチすることが可能になりました。少ない単価で、高い集客を確保することができた好例と言えます。

共栄ホーム様では、今後もネット集客で培ったノウハウを活かし、商品のブラッシュアップやモデルハウスのリニューアルを実施も予定されています。今後も引き続き業績アップへ向けてサポートをしていきたいと考えています。