この連載では半年間にわたり、苦境に立たされる住宅業界のイメージを一新するSNS集客が切り拓く可能性を探りながら、住宅購入検討層と重なるアクティブユーザーを持つ視覚的な訴求に優れたInstagram集客を掘り下げてきました。連載最後となる今回は、これまでにお伝えした情報を総合し、住宅会社がInstagram集客を成功させるために欠かせない要素を全て詰め込んでお届けします。
Instagramの運用において、アルゴリズムを正確に理解し、それに基づいた運用が情報を効果的に届け、相互のコミュニケーションを図り、来場予約を獲得する仕組みを構築することが最も重要となります。まずは、独自のブランドを築くために、市場における自社の立ち位置とニーズを正確に把握することが、一貫性のあるコンセプト設計につながります。
次に、「ブランドイメージを構築するプロフィール」、「フォローを促す決め手となるフィード投稿」、「ユーザーと親密になれるストーリーズ」、「認知のきっかけとなるリール動画」、「相互コミュニケーションの活性化となるインスタライブ」などの機能を活用すると、フォロワーのアクションが取れます。アクション数の変動や質からフォロワーの行動パターンやニーズなどのインサイトデータを読み解きます。そして問題の仮説立てや課題点などを洗い出し、コンテンツや投稿のタイミング、ハッシュタグの選定などに反映させていきます。よりニーズにあった質の高い発信が、フォロワーを「ファン」や「見込み客」に変え、さらなるエンゲージメントや来場予約などの具体的な行動につながっていきます。
また、フォロワー外のユーザーにアカウントを認知してもらい、フォローやいいねを促す施策として、積極的なフォローやいいね周りを積極的に行うと必然的にプロフィールや投稿の閲覧率の向上となります。興味や関心を引くサムネイルや価値のあるコンテンツ発信がされていれば、「再訪したい」と感じさせ、フォローにつながる。さらに、ハイライトを通じて資料請求や見学会などの情報をカテゴリー別に整理し、直接的な来場予約へと誘う導線づくりも必要です。
本連載を通じて提供した多様な戦略手法は、住宅会社がInstagramを効果的に活用し、顧客との新たな接点を築くための道しるべとなるでしょう。これらの戦略を地道に行動し、市場の変化に柔軟に対応することで、厳しい競争に勝ち抜き、業績を飛躍的に伸ばすことが可能となると信じています。
株式会社Trust Lead 代表取締役 江島 和城
2018年リクルート住まいカンパニー(SUUMO)では、不動産会社60窓口・工務店20窓口を担当。建設業界の集客領域・採用領域に課題を抱えるクライアントに多く出会い、最適な集客がSNSと確信し、個々のニーズに合わせたインサイトデータが閲覧できるSNS分析ツール「Pegasus」を開発。SNSマーケティングを活用した新しい集客により工務店を助けるため、株式会社TrustLeadを設立。わずか2年の間に3000アカウントの分析結果を基にコンサルティング事業を展開し。現在では集客に苦しむ工務店経営者からの相談が絶えない。
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